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予防法務

退職時等の証明

労働者側からの「解雇された」というご相談について、詳しく伺ってみると、そもそも会社は本当に解雇をしたのかが不明瞭な事案があります。

典型的には、売り言葉に買い言葉で使用者が「出社に及ばず」などと口にしたケースです。

解雇の事実とその理由は、解決手段の選択にも影響するところですから、はじめに特定しておくことが望ましいです。

労働者が不当解雇と訴えているところで、使用者は「解雇はしていない。厳しく注意したら無断欠勤が続いている」という認識でいる場合もあり得ます。このまま解決手段を進めると遠回りになりかねません。 (more…)

事業の縮小、人員整理

新型コロナウィルスの影響が大変な情勢です。

「このままでは、従業員を雇い続けることができない」、という事業所からの相談が多数寄せられています。

経営上の事情から、特に現状のコロナ禍において人員削減が避けられないときは、その前になすべきプロセスがあるのはご存知でしょうか。

経営上必要とされる人員整理のために行う解雇は「整理解雇」と呼ばれ、厳しく制限されています。

以下に、有効な整理解雇の要件を解説します。 (more…)

事業主が設置するハラスメント相談窓口

労働局に寄せられる相談の内容は、「いじめ・嫌がらせ」がダントツトップのまま、さらに増加傾向にあります※1。

それなのに、「パワハラを受けた被害者の行動」としては、

  • 同僚に相談   16%
  • 会社を退職  約13%
  • 上司に相談  約13%

・・・などよりも、「何もしなかった」が最も多く41%となっています※2。

このようにハラスメント問題は、顕在化し難い特徴があります。しかし、問題がないわけでは決してなく、「何もしなかった41%」の方々は、モチベーションを落として、いつか黙って会社を去っているか、あるいは、紛争解決手続きに出るなど、こじれてから発覚する場合があります。

パワーハラスメントの職場に与える影響は、 (more…)

毎月定額の残業代

例えば、業務手当や役職手当など、名称は何でもよいのです。

“○○手当”を残業代として、実際の残業時間にかかわらず、毎月決まった金額を支給する賃金体系をとっている会社は少なくありません。

これは、正しく運用されている限り違法ではありません。

この定額残業代が認められるかどうかについて、これまでと違う最高裁判決がH30年7月19日に出されました。

これまでは、定額残業代が争われたとき(定額残業代を払っていれば、割増賃金を適法に支給したことになるかどうか)、以下の要件が問われました。

  1. 何時間分の残業代に相当するのか明示し、定額残業代を超える残業をしたときは、従業員がそれを判別できる
  2. 1の場合にその都度差額が精算されている
  3. 定額残業代の導入によって、根拠もなく極端に基本給が下げられていない
  4. 長時間残業の温床になるような要因がない

(more…)

就業規則の意見書作成

就業規則は、職場のルールで、これを先に示しておくと、従業員は、職場における自分のふるまいをイメージすることができます。紛争防止のためにも大変重要なツールです。

就業規則を作成する(または変更する)には、「代表従業員の意見書作成」という手続きが定められています。

法律上は、常時従業員を10人以上使用する事業場は、過半数労働組合か従業員の過半数代表者の意見を聴き、就業規則を届出るときは、その意見書を添付すること、となっています。

ところが、この手続きをきちんとされていない企業がよくあるようなのです。

JILPT報告書No.90※によれば事業規模全体で、

①「意見書を作成していない」企業が約16%
②「代表と思われる従業員が作成した」企業が約17%
③「会社側が作成した」という企業が約41% (more…)

懲戒解雇について


 
解雇という処遇が会社に与えるリスクは、多くのメディアから発信されています。

当事務所も基本的に解雇は回避するコンサルをしています。

普通解雇でさえハードルが高いのに、パワハラによる懲戒解雇が有効とされた判例(Y社事件、東京地裁平成28年11月16日)があります。

事件の概略

会社には、従業員からの相談窓口が設置されていて、パワハラ被害の相談が持ち込まれました。

パワハラの内容は、人格否定、プライバシー侵害、罵声(アホ、クビ、辞めてしまえ)などです。

会社は事実確認の上で、パワハラ加害者の上司を厳重注意し、顛末書を書かせ、会社のコンプライアンス方針を示し、アドバイスもしました。 (more…)

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